国税庁における「業務プロセス改革計画」の策定について

平成24年6月1日

国税


  昨年策定された「新たなオンライン利用に関する計画」(平成23年8月3日IT戦略本部決定、以下「新計画」という。)においては、「これまでのオンライン利用促進のための各般の取組との連続性にも留意しつつ、行政側の視点である利用率の向上から、国民側の視点である利用に関するサービスの品質の向上に重点を置いて、利用者の負担軽減や満足度の向上等利用者の立場に立った指標を設定し、国民の認知度向上を図りつつ利便性の向上に一層注力する必要がある。また、オンライン利用に係る費用対効果を高める観点から、行政側の効果の増大や費用の減少など、行政運営の効率化にも取り組む必要がある。」との今後のオンライン利用の基本的考え方が示されています。
 そして、「国民の視点に立って、オンライン利用率のみならず、オンライン利用に関するサービスの品質の向上に重点を置いた業務・システムの改善及び行政運営の効率化を実現するため」業務プロセス改革を行うこととし、「手続所管府省は、業務プロセス改革を着実かつ計画的に実行するため、業務プロセス改革計画を策定する。」とされています。
  国税庁では、「新計画」を受けて、平成25年度までのe-Taxへの取組等について、別添基本様式1から4のとおり、国税庁の業務プロセス改革計画(平成24年5月28日財務省行政情報化推進委員会決定)を策定しました。
  国税庁といたしましては、従来から、e-Taxの普及及び定着に積極的に取り組んでまいりましたが、今後は、この業務プロセス改革計画に沿って、一層積極的にe-Taxの普及及び定着に取り組んでまいります。


 国税庁の業務プロセス改革計画のポイント 

  国税庁の業務プロセス改革計画は、「新計画」に基づき、その趣旨を十分に踏まえ、「業務プロセス改革実施要領」(平成23年8月10日内閣官房情報通信技術(IT)担当室・総務省行政管理局作成)で定められた基本様式1〜4に従って策定しています。各様式の具体的な内容は以下のとおりです。


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1  基本様式1(手続所管府省における検討・推進体制)

  基本様式1については、国税庁における業務プロセス改革の検討・推進体制を記載しています。
  検討・推進体制については、「新計画」において、「政務三役(大臣、副大臣、政務官)の下、重点手続を含む制度全体を視野に入れて手続の必要性や業務の在り方を含めた見直しを行うため、システム担当部局のみならず、制度、業務、組織等の関係部局や有識者等を含めた業務プロセス改革の検討・推進体制を整備する。」とされています。
  したがって、国税庁においても、個別管理組織(PJMO:Project Management Office)である長官官房企画課情報技術室を中心に、システム開発等を所掌する参事官や国税局・税務署の事務運営を所掌する国税庁内関係課室等が連携・協調しながら、財務省政務三役の下、財務省全体管理組織(PMO:Program Management Office)である大臣官房文書課業務企画室とも連携して業務プロセス改革を検討・推進していくこととしています。

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2  基本様式2(手続・制度に関する基本的情報)

  基本様式2については、業務プロセス改革計画における重点手続の手続・制度に関する基本的情報を記載しています。
  重点手続については、「新計画」において、「国民・企業等が広く利用するオンライン化された手続のうち、利用頻度が高い年間申請等件数が100万件以上のもの及び100万件未満であっても主として企業等が反復的又は継続的に利用する手続等」と定められており、国税関係として15手続(注)が対象とされています(「オンライン利用拡大行動計画」(以下「旧計画」という。)における重点15手続と同じです。)。
  これら重点手続については、手続の内容に応じて、「申告」、「法定調書」、「申請・届出等」の3つに区分し、区分ごとに一括して手続等の基本的情報を記載しています。

  • (注) 所得税申告、法人税申告、消費税(個人)申告、消費税(法人)申告、酒税申告、印紙税申告、法定調書(7手続)、納税証明書の交付請求、電子申告・納税等開始(変更等)届出の15手続

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3  基本様式3(成果指標及び目標)

 基本様式3については、「国民の利便性向上に関する指標」、「行政運営の効率化に関する指標」及び「国民の利便性向上と行政運営の効率化共通指標(オンライン利用率等)」を記載しています。

 (1)  国民の利便性向上に関する指標
  イ  e-Taxの利用満足度

  • (イ)  指標内容
      自宅等からのe-Tax利用者に占めるオンライン利用に満足している人の割合を指標として設定しています。
      アンケート調査により実態を把握します。

  • (ロ)  目標等
      平成22事務年度の国税庁実績評価結果であるe-Taxの利用満足度66.4%を基準値として、平成25年度までに利用満足度が70%となることを目標としています。

  ロ  国税庁ホームページ「確定申告書等作成コーナー」の利用満足度

  • (イ)  指標内容
      国税庁ホームページ「確定申告書等作成コーナー」利用者に占める作成コーナー利用に満足している人の割合を指標として設定しています。
      アンケート調査により実態を把握します。

  • (ロ)  目標等
      平成22事務年度の国税庁実績評価結果である国税庁ホームページ「確定申告書等作成コーナー」の利用満足度80.1%を基準値として、平成25年度までに利用満足度が85%となることを目標としています。

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 (2)  行政運営の効率化に関する指標
  イ  オンライン申請の受付1件当たりの費用

  • (イ)  指標内容
      オンライン申請の受付1件当たりの費用(整備費用・運用経費等)を指標として設定しています。

  • (ロ)  目標等
      平成22年度におけるe-Tax申告・申請等の受付1件当たりの費用581円を基準値として、平成25年度まで各年度「対前年度比減少」を目標としています。

  ロ  事務処理時間

  • (イ)  指標内容
      e-Taxの利用により効率化される事務処理時間を指標として設定しています。

  • (ロ)  目標等
      所得税申告、法人税申告及び消費税(個人・法人)申告について業務処理時間のサンプル調査等を行い、その結果を踏まえ、基準値及び目標の設定を行うこととしています。

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 (3)  国民の利便性向上と行政運営の効率化共通指標(オンライン利用率等)
  イ  オンライン利用率

  • (イ)  指標内容
      e-Taxを通じて申請等を行った件数が総申請等件数に占める割合を指標としています。

  • (ロ)  目標等
      オンライン利用率の目標については、重点手続の中には公的個人認証の普及割合等の外的要因にオンライン利用率が左右されるものがあることを踏まえて、以下のとおり重点手続を2区分し、それぞれに目標を設定しています。
    • ①  公的個人認証の普及割合等に左右されない12手続(法人税申告、消費税(法人)申告、酒税申告、印紙税申告、法定調書(7手続)、電子申告・納税等開始(変更等)届出)
        平成22年度における利用率が70.1%(基準値)であったことや、「旧計画」における政府全体のオンライン利用率の目標が72%であったこと等を踏まえ、平成25年度に利用率が72%となることを目標としています。

    • ②  公的個人認証の普及割合等に左右される3手続(所得税申告、消費税(個人)申告、納税証明書の交付請求)
        平成22年度における利用率が41.1%(基準値)であったこと等を踏まえ、平成25年度に利用率が50%となることを目標としています。

  ロ ICT(Information and Communication Technology)活用率

  • (イ)  指標内容
      所得税申告及び消費税(個人)申告の2手続については、オンラインで申告した件数に自宅等から国税庁ホームページ「確定申告書等作成コーナー」を利用して申告書を作成し、書面で申告した件数を含めたICT活用率を指標として設定しています。

    • (注)  「業務プロセス改革計画実施要領」おいて、「オンライン利用率の指標・目標設定については、磁気媒体提出、本人確認方法が改善されればオンライン利用に移行する可能性が見込まれるホームページでの提出書類作成サービスの利用等の割合を示す『ICT活用率』により代替することを可とする。」とされています。

  • (ロ)  目標等
      平成22年度における所得税申告及び消費税(個人)申告のICT活用率(注)が57.3%(基準値)であったこと等を踏まえ、平成25年度にICT活用率が65%となることを目標としています。

    • (注)  具体的には、所得税申告及び消費税(個人)申告のオンライン利用件数に、自宅等から国税庁ホームページ「確定申告書等作成コーナー」を利用して申告書を作成し書面で提出された件数を加え、所得税申告及び消費税(個人)申告の総申告件数で除した割合となります。

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4 基本様式4(目標の達成に向けた具体的な取組事項及び実施時期)

  基本様式4については、基本様式3で掲げている成果指標の目標の達成に向けた具体的な取組等を、定められた項目に従って記載しています。
  国税庁におけるe-Taxの普及及び定着に向けたこれまでの取組は、「国民の利便性向上」や「行政運営の効率化」といった観点を含んでおり、基本的には、これまでの取組等を継続して実施していくこととしております。
  なお、今回の業務プロセス改革計画において、新たに取り入れた取組等は以下のとおりです。

  • ①  社会保障・税番号大綱を踏まえ、住民票の省略を検討

  • ②  法人税等の申告が集中する8月末及び11月末の受付時間の延長

  • ③  法定調書(「利子等の支払調書」を除く。)や納税証明書の交付請求等について、e-Taxソフトをインストールすることなく、e-Taxホームページ(Web)からの入力により作成・送信を可能とする取組

  • ④  納税証明書を税務署窓口でe-Taxにより交付請求する場合の電子署名の省略

  • ⑤  所得税等のe-Tax還付申告について、自宅等からの申告と来署による申告とを区分管理するシステムに修正後、それぞれの処理期間等を測定し、その結果を踏まえ、今後、新たなインセンティブ措置及び成果指標・目標を検討

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 業務プロセス改革計画の検討・推進について 

 今後、業務プロセス改革の検討・推進に当たっては、平成24年度以降、業務プロセス改革計画の取組に係る実施状況を取りまとめて公表し、それらに対する企画委員会(注)の指摘等を踏まえ、必要に応じて業務プロセス改革計画の改定等を行っていくこととなります。

  • (注)  企画委員会は、高度情報通信ネットワーク社会の形成に関する重要事項の検討、施策の進捗管理等を行うためIT戦略本部に設置された委員会であり、内閣府特命担当大臣(科学技術政策)を座長とし、関係府省の副大臣又は大臣政務官が委員となっています。


 
 【別添】

 基本様式1〜4<掲載先:財務省ホームページ>(外部リンク)




お問い合わせ先
国税庁 長官官房 企画課
情報技術室
企画担当:大倉、前澤
TEL:03-3581-4161
  (内線:3887、3617)

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